2019年3月30日土曜日

福島の高校生たちが、昨夏の訪独体験や福島について東京と松本で報告しました

福島の高校生たちが、昨夏の訪独体験や福島について東京と松本で報告しました。

関西・大阪21世紀協会から支援をいただいた今年度最後の報告会となりました。


3月29日の東京での報告には、約40人の参加者で会場はいっぱいでした。


福島南高2年の吾妻凌さん(福島市)、日大東北高1年の石田あみさん(郡山市)、尚志高1年の吉田幸希さん(本宮市)の3人が福島での震災体験やドイツでの体験をスピーチしました。


ドイツで学んだり体験した事をアウトプットして行くことは、聞きにきていただいた皆さんの感想も良かったのですが、それ以上に、彼ら自身が改めて当時の写真や動画を見ながら思い出し、発表する内容を考え、いい機会となりました。


また、東京の新高校1年生も参加して、東京と福島の高校生の質疑の時間もいろんな事が深まる時間となりました。


JIM-NETの愛ちゃんや真紀さんもきてもらい、会場でのチョコ募金も1万円以上の協力がありました。


今回、企画していただいた、ヒューマンライツナウの伊藤弁護士をはじめとしたみなさんには感謝です。


そこから、長野県松本市に移動しました。
松本市で被災者の支援をしてきた、松本子ども留学基金さんの協力のもと、松本市民活動センターで翌日30日に報告しました。


ここは、吾妻凌さんと石田あみさんに震災後福島から松本市に避難した、松本県ケ丘高2年の真船日向子さん(松本市・郡山市)も合流して報告しました。


インターネットのテレビ電話を通じて、福島高1年の山本優花さん(福島市)、引率で一緒だったドイツの大学生デニツさんも報告してくれました。


会場の参加者は少人数だったので、みなさんから感想や質問を出してもらい、高校生たちが丁寧に応えていました。


2011年の震災直後に郡山で出会った植木さんとも久々の再会となりました。


夕方から松本の寮で、高校生たちと、寮のスタッフ間宮くん、みーちゃん、新江さんと一緒に夕食をとりながら交流し、久々の再会を楽しめたようでした。


今回の報告会を通じて、ドイツプロジェクトに参加する事で成長できた話を保護者や周りの支援者から多く寄せられました。


また、その後、彼らが新たな夢を持ち努力している事も聞き、今年の夏も訪独事業を継続したいと痛感しました。


ただ、震災から少しずつ減少する寄付や助成金の現状があり、ぜひとも、下記口座への支援をよろしくお願いします。
http://earthwalkers.jp/support.html


東京での報告会のダイジェストは下記をご覧ください。友人のJo Kawanoさんが作成してくれました。
https://youtu.be/ByMBWO2KOcU





以下、高校生の感想です。


松本県ケ丘高2年の真船日向子
昨日、松本の帰国報告会に参加しました。原稿を用意していなかったので、何を話すかはその場に応じて考え、要点をしぼって話そうと思って臨みました。
でも、思い出せなくて話がつまってしまったり、話しながら、伝わってないかも…と、思い言い直したことがちょっとありました。
ドイツで体験して感じた色々なことがもう色あせてきているんだと、思いました。


でもこの半年を振り返ってみると、自分自身の震災の体験を伝えていくことへの体験に向き合いたくないと言う抵抗感が強くあったのですが、このドイツ留学を通して、その気持ちがほぼなくなった気がすると、思いました。
これからも伝えていける機会があれば積極的に参加していきたいです。今日は松本を少し観光しました。見慣れた街ですが、やっぱり観光都市だ、と言うことに気がつきました。
わざわざ来てくれた2人に会えてとても楽しかったです。ありがとうございました。





日大東北高1年の石田あみ
この、東京長野の報告会で自ら発表することでドイツ研修で学んだことも改めて整理でき、いま、自分がすべきことが明確になりました。
また、報告もドイツに行く前と比べ原稿などを見ずに堂々と報告、スピーチをするこができるようになりました。


このようなことは将来必ず役に立つので、改めてドイツで自分は成長できたと実感することができました。
長野の松本市では、松本子供留学のスタッフの方に親切にしていただいて歴史のある松本市を堪能させていただきました。
ドイツの研修が終わっても、このような機会でメンバーにあえて、離れていてもお互い自分の夢に向かって確実に前進していることを知り、私も負けずに夢を叶えるための努力を惜しまず生活していこうと感化されました。





福島南高2年の吾妻凌
今回の報告会で感じたのは、アウトプットすることの大切さです。
ドイツから帰ってきてすぐの東京と福島で行った帰国報告会では、記憶も鮮明で人前で話すことにも慣れていたため自分の伝えたいことをほとんど全て伝えられました。
しかし、ドイツから帰国し半年以上が経ち、人前でドイツの経験を話すことが少なくなった今、ドイツで学んだことや自分の体験談を話したりすることはとても苦労しました。
特に東京の帰国報告会では、話したいことが頭の中で整理出来ずしどろもどろで原稿頼りのスピーチになってしまいました。


長野の帰国報告会では東京の帰国報告会の経験を生かし、前日に話したいことをメモし、まとめました。
話す項目を決めていたため、東京の時とは違い原稿頼りのスピーチになることが無く、震災当時の様子やドイツでの経験を話すことができました。
また、東京では福田さんという方と一緒にディスカッションをしました。
福田さんは震災当時も今も東京に住んでいる方ですが、東日本大震災の時から福島の震災に関する記事をスクラップし、小学校5年生の時に被災地宮城県を訪れたという話を聞き、福島から離れた地域の人から福島は注目され、助けられていると改めて感じることができました。


経験を経て知識をつけたこのドイツ研修とは逆で、知識をつけてから行動に移し経験を積む福田さんの被災地、そして被災した人との関わり方がすごく勉強になったし、嬉しく思いました。
質疑応答では脱原発が完了したドイツの背景、そして日本が脱原発できない理由は何かと踏み込んだ質問がなされました。その答えに対し曖昧な回答になってしまったのが今回唯一の心残りです。
小玉さん、松本こども留学の皆さんのお陰で東京と長野の方に自分たちの経験を話すことができたし、松本城や縄手通などを訪れることができたり有名な長野のお蕎麦をいただけたりと本当に貴重な時間でした。ありがとうございました。





尚志高校1年の吉田幸希
東京での報告に参加して、一般的には震災の被害があったのは福島を含めた東北地方だと語られてますが、東京でも僕たちのように震災によって辛い思いをした方がいるというのを今回の報告会で知ることが出来ました。
報告会に参加した中高生は僕も含め全員が教師や教育研究者になりたいという夢を掲げていて、それはドイツのプロジェクトも影響している部分もあるのかなと思いました。


報告会でも述べましたが、ドイツの教育は本当に素晴らしく日本も見習うべきところが多くあり、参加者のほとんどが衝撃を受けたと思います。
また春から高校1年生になる福田さんは震災当時小学1年生で2年生の4月から朝日新聞の震災関連の記事をスクラップしていて今も続けていると聞いてすごいなと思いました。
僕たちはプロジェクトなどに参加し、考えるきっかけを与えられることにより興味を持つようになります。


しかし、福田さんは新聞記事のスクラップで読んだ内容を踏まえた上で被害を受けた様子を目にしていました。それもまた僕たちとは違う景色を見ているのではないかと思いすごい関心した部分もありました。
今回は最後の報告会となりましたが、これからは周りの友達などにドイツで学んだこと、震災を通して感じたことなどを伝えられればと思います。

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