2021年6月13日日曜日

stay home project 第56回

 文責:服部杏奈(大学1年) 編集:小玉 直也

2021年6月13日にベルリンのエネルギーコンサルタントでもあり通訳家のKensuke Nishimura西村さんをお招きしオンライン講座が開かれました。
参加者20名のうち約半数が10代というメンバーでスタートした今回の講座。
西村さんは「エネルギーで考える世界と自分のつながり」というテーマでお話をしてくださいました。最初にClimate Stripeという図やヒグマとホッキョクグマの雑種の写真を示しながら地球温暖化の実態を説明していただきました。
その後エネルギーフローの説明を受けながら、原子力発電や石炭火力発電であっても半分以上はエネルギーにならないことを知りました。
また、やりたいことがまずあり、それに向かって細かい目標を立てながら今に近づけていく「バックキャスト」という考え方と、まず今自分は何を持っているかから始まり、その中で将来を選択していく「フォアキャスト」という考え方があることも教えていただきました。ドイツはバックキャスト方式をとっていて、日本はフォアキャスト気味ということでした。
2020年秋に菅総理が発表した脱炭素社会の実現を目指すカーボンニュートラルが、日本で初めてのバックキャスティングだったようです。
また、脱炭素で重要となってくるのが建築と車だそうで、ドイツのエネルギー転換で打ち立てられた要素として、①エネルギーを使わない(三重窓の義務付け、アルミサッシの禁止) ②蛍光灯の販売禁止(LEDへ) ③使うエネルギーはクリーンに(再生可能エネルギー) の3つがあったそうです。
さらには、フロー(1つの物事には流れがある)とシステム(物事たちは相互に関連している)の考え方も学ぶことができました。答えを探す作業ではなく、フローとシステムを使い捉えていくことが大事ということで、西村さんは毎日ペンとノートを使ってフローとシステムを可視化させているそうです。
ものを手で書くという行為は大切だと話していました。
私も今後は大きな計画を立てる際はバックキャスト方式を採用し、日常ではフローとシステムでの捉え方を駆使しながら、人生を豊かにしていきたいなと思いました。
最後の質疑応答の時間では、今回オンライン講座に初めて参加した高校1年生からの「1人でもできることではなく、システムづくりをするために高校生ができることはなにか」という質問に対して、西村さんは「議員さんにお手紙を送ること」と回答されていました。
高校生からだと目を通す可能性が高いということで、内容は自分の意見の主張というよりは、疑問文にして差し出してみるのが効果的かもしれないというお話でした。やはり高校生は無敵だなぁと感じながら、エネルギーの話も詰まるところは政治なんだなと改めて気付かされました。
オンライン講座に参加させていただく度に、有権者として気が引き締まります。西村さん、貴重なご講演ありがとうございました!!
また、福島県の高校2年生からの感想が届いたので紹介します。
今回、初めてzoomに参加させて頂きました。
「なんで今まで参加しなかったんだろう。」それが最初の感想でした。正直、今回の講義は今まで関心があまりなかった話題でした。話に着いて行けるか、自分の意見をはっきり話せるか、、、不安もありました。その不安をかき消すかのように、発言出来ました。短時間ではありましたが、成長を身をもって感じることが出来た、とても貴重な時間を過ごすことが出来ました。また、将来この分野を深く学んでもいいのでは無いか、と夢の視野も広がりました。ありがとうございました。