福島の高校生ドイツプロジェクト4日目~8月6日は広島デー~
午前中、デュせルドルフ市内のJETROを訪問しました。
前日、福島県人会の昼食会をオーガナイズしていただいた、福島県庁職員からジェトロデュッセルドルフに出向されている矢舘さんに、90分ほどレクチャーしていただきました。
福島県とNRW州の経済的な関係や行政間の協力、エネルギー転換の魅力と課題、などなど多岐にわたり学ぶ内容の多い時となりました。
ホテルをチェックアウトして、お世話になった高遠菜穂子さんにお別れをして、ベルリン行きの電車に乗りました。
別れ際、高校生の成長と可能性に涙ぐむ菜穂子さんに、高校生たちも胸打たれていました。
夕方にベルリンに到着し、ホテルにチェックイン後、8月6日の広島の原爆記念日ということもあり、18:00スタートの「鐘を鳴らす会」のイベントに招待され参加しました。
一昨年ノーベル平和賞を受賞したICANからヨワナ・コリピディスさんのスピーチも感動を呼び大きな拍手に包まれ、その後にスピーチする高校生2人は緊張の面持ちでした。
最初に里桜さんがスピーチを始めると、直後から涙ぐみ言葉に詰まる。
菫さんが素早く里桜の後ろに支え、途切れ途切れながら、なんとかスピーチを乗り切りました。持ち時間1人6分をかなり超えた気がするが、多くの拍手がそれを歓迎しているようでした。
続いて聖真さん。このスピーチが、zoomを活用した練習の成果も出て、とても元気にいいスピーチでした。終わった後、めっちゃよかったで!って声かけたら、「実は緊張して膝がガクガクして立っているのがやっとでした!」って。それを感じさせない素晴らしい内容でした。
しかし、この緊張感を高校生で経験し自分の意見を伝えることができるようになると、将来必ず活きてきます。
最後に会場のみなさんと一緒にセレモニーに参加し、鐘をついて終了し、素晴らしいセレモニーでした。
残念ながら、日本の32万の高校生で、原爆を落とされた6日、9日を特別な思いで全員学校に登校し、2度と繰り返さないよう考え議論する高校生は、長崎と広島の高校生しかいないと言ってもいいくらい、過ぎていく日々です。
今回はベルリンで、とても深く核兵器や戦争を考える時となりました。
毎年、8月6日にベルリンに入れないか打診を受けていたが、今回初めて叶いました。
間に合うかどうかギリギリの移動でしたが、本当に参加してよかったです。
そんな高校生たちの帰国報告会が8月18日(日)に開催されます。
東京会場10:00〜東京ボランティアセンター(飯田橋駅徒歩2分)
福島会場18:00〜福島市アオウゼ(福島駅東口徒歩6分)
ぜひ、拡散お願いします。
参加したロコさんが書いてくれたレポートです
http://snbblog.sundayresearch.eu/?p=4181
以下、参加者の高校生の感想です。
遠藤颯人 4日目 主な訪問先 JETRO、平和式典
今日は、まず起きて、一番に朝食を食べました。昨日と同じようにパンがとてもおいしかったです。
その後「JETROデュッセルドルフ」を訪問し、JETROの活動や、矢舘さんの活動を知ることができました。他にもドイツの基本情報や再生可能エネルギーについても学ぶことができました。
ドイツの再生可能エネルギーについての課題は「作った電気をどう送るか」が問題になっていますが、日本ではそれ以前の問題なので、福島からもっと再生可能エネルギーを普及させていかなければならないと思います。
そして、昼食を食べました。男子3人とデニツで「デュナー」を食べました。スパイシーソースがたくさんかかっていて、とても辛かったですが、満腹になるまで食べてしまいました。
昼食の後は、高速鉄道でベルリンに向かいました。乗り降りや乗り換えの時には、荷物の積み下ろしが大変で時間ギリギリになってしまいました。
ベルリンに着いてからは、平和式典に出席しました。多くのドイツ人の方々が広島、長崎の原爆について興味を持っていることに驚きました。白いハトを飛ばす時もタイミングを間違えないようにするのに必死でした。
2人のスピーチを聞いているときも、英語が理解できていなくても、ちゃんと聞いていたり、後から声をかけてくれるなど、ドイツ人の人柄を感じることができました。
帰りの電車の中では、すみれが財布を盗まれていて、とてもショックを受けていました。でもこれは他人事ではないので、自分の貴重品も盗まれないように、注意して移動していきたいと思いました。
久下 薫 4日目 主な訪問先:JETRO 平和式典
今日は午前中にJETROの会社に行って矢舘さんにいろんな話を聞きました。私はJETROというものがあること自体知らなかったので、どの話も新鮮でした。会議の時に英語力が必要になってくることや、遠慮や忖度なしで自分の意見をしっかり言うことなど、これから日本に帰ってからも必要になってくることも話してもらって、とてもためになりました。それから福島の会社からそのように海外で活動している人がいるのを初めて知ったので、それも驚きました。
今日の午後の活動は、広島と長崎の原爆の平和式典に実際に参加させてもらいました。せいまとりおが発表の担当だったのですが、りおが感極まって泣いてしまい、私が隣でサポートしました。横に立ってスピーチを聞いていましたが、涙をこらえるのに必死でした。スピーチが終わってから、内容がほとんど分からなくてもたくさんの拍手を送ってくれている人たちを見て、すごく胸が熱くなりました。そして、私は日本人で日本に住んでいるのにこのような式典に参加したことがなく、自分の国のことではないのに日本人を思ってこのような式典に参加してくれるドイツ人の人たちはすごいなと、心から思いました。
今日、平和式典からホテルに帰るまでの間で、さいふを盗まれました。それまでは危ないと思って前にリュックを背負っていたのですが、少し油断してうしろに持ってしまったので、気づいたときにはもうチャックがあいてて、さいふだけきれいにとられていました。すごく悲しいし、悔しいけど、2万5000円分のいい経験ができたと思うことにしたいと思います。
松本愛由 4日目 主な訪問先:JETRO デュッセルドルフ訪問学習
今日は、JETROについて矢舘さんに説明してもらいました。JETROは様々な国で農林水産食品輸出の支援や地域間の支援など多くの仕事をしていてすごいなと思いました。日本について外国の方々に知ってもらうために会を開いていて良いプロジェクトだと思いました。もっと日本について知ってほしいなと思いました。
今日は、当番で電車の情報を調べたり、みんないるか人数確認をしたりしました。電車が何番ホームで止まるかを調べに行ったとき、掲示板やimformationで見たり聞いたりしました。調べたことがしっかり当たっていた時、とても嬉しかったです。
夕方には、広島原爆投下記念日平和の鐘式典に参加しました。日本だけでなく、ドイツの方々がそれについて考えてくださっていて感動しました。二度とこのようなことを起こさないために式典を開いていてとても素晴らしい国だと思いました。式典の最後には、白いはとを手で包み一斉に離しました。白いはとが飛び立っていくのを今でも覚えています。きれいでした。はとを手で押さえていた時、飛んでいってしまわないかひやしやしていました。でもしっかりできたので良かったし、初めての体験でした。夜ご飯は、やきそばのようなものを食べました。量が多くて驚きましたが、美味しかったです。
夕食後、ホテルにあるプリクラ的な機械で写真を取りました。取るまでの時間が速すぎて驚きました。3枚ぐらい取り、とても楽しかったです。
8/6 4日目 蛭田 里桜 主な訪問先:JETRO・ベルリン
4日目の午前中、JETROの矢舘さんからジェトロについてお話を聞かせていただいた。今までJETROの存在を知らなかったから世界各地にあって色々と支援をしてプロジェクトをしているんだと分かって裏でたくさんの人が私達を支えてくれているんだなと思った。
また、再生可能エネルギーについても取り組んでいて、正直今まで再エネだとか再エネが大切などの声が多く「あっ再エネが大切なのか」と思っていたがその裏では「再エネのしくみが難しくて分からない」と思っていた自分もいる。
でも、矢舘さんの話を聞いて再エネについて表などを示してくれたから何が必要なのかが分かり再エネが本当に必要なんだと思った。
次にドュッセルドルフからベルリンに移動した。電車の中で小玉さんから報道などのしくみについてたくさんのことを聞いてやはりメディアリテラシーを強く意識するのは大切だなと思った。
また、移動する前に菜穂子さんから難民の人や難民の人を助ける自分自身の心のケアも必要だと言うことを学んだ。
ベルリンに着いてからは、ちょうどこの日が広島に原爆が落とされた日でその式典に参加してスピーチを発表した。
感情がこもってしまい泣いてしまったがこの日を忘れてはいけないと思った
戸川幸恵 4日目 主な訪問先:JETRO
4日目はJETROのお話を聞きました。ドイツと日本の違いで直接的なドイツでは「Yes」か「No」で答えなければならないことが日本と大きく異なっていることを知りました。ドイツで日本食をアピールしたり、福島県のアピールをしたりしている矢舘さんからお話を聞きました。ドイツ以外にもパリなどでもJETROの活動は行われています。5月26日に行われた Japan Tag (日本デー)には約60万人の人が集まりました。そんなにも多くの人が日本に興味をもってくれていてうれしかったです。JETROの仕事の中で大変だったことは外国語と外国語同士で接するので、話がかみ合わないことがたまにあるということだそうです。
次にドイツの政治経済についてです。ドイツはEUの中でもGDPが1番高いです。特に、車の生産が多い所はGDPが高いです。また、日本企業の進出も多いです。FUJITSUやSEKISUIなどがあります。エネルギ事情では、エネルギー消費を2050年までに50%削減、再生可能エネルギーを2050年までに60%など、たくさんの目標があります。少しずつ再生可能エネルギーの割合は高くなっています。ですが、設備が遅れているなどの課題があります。
次に、広島、長崎のセレモニーに参加しました。2人のスピーチをしんけんに聞いて下さったドイツのみなさん、2人のスピーチに感動しました。もっと広島、長崎の原爆についてもっと調べたいと思います。
ホテルに帰って、2ユーロのプリクラ(?)みたいな写真を撮りました。とても楽しく、いい思い出になりました。
8/6 4日目 石井聖真 主な訪問先:ドゥッセルドルフ
8月6日、ドイツの朝を楽しんだ後にJETROのドゥッセルドルフ事務所に行き、再エネのことについての話を聞いた。ドイツは再エネをどの国よりも積極的に取り入れて、クリーンエネルギーの発電量は極めて多い。しかし、せっかく発電した電気をどうやって運ぶのかが問題であるそうだ。
ドイツの北側に海があるため、風力発電は海の上で行われる。それは風車の騒音や健康被害を考えてのことである。洋上で発電された電気を南側に運ぶために、今よりももっともっと多くの電線が必要である。その計画も進んでいるという話を聞いた。どうやって発電するか、どうやって効率を上げていくか、ということばかり考えていた自分にとっては、ここにも問題があるとは知らなかったので新しく学ぶことが出来た。
またここの事務所で勤務されている矢立さんは福島県庁で働いていて、ドイツに派遣されている。公務員はデスクワークが主な仕事でパソコンや書類を前に仕事するものだと思っていたが、色々な種類の働き方があるのだと感じた。
その後は広島の原爆についての平和式典が行われた。それに参加し、スピーチをした。冒頭で一笑いとり、無事にスピーチを終えられた。その式典にいたドイツ人のおばあちゃんが一人、司会者の方へ行き、“原爆や原発だけでなく武器などもなくす必要がある”と言っていて、全くその通りだと思った。
菅野真帆 4日目 主な訪問先:JETRO・ベルリン
午前中はJETROを訪問しました。私は、ここに来るまでJETROの存在を知りませんでした。JETROはあらゆるところにあると知り、驚きました。ドイツでは、挨拶は握手が大事で、力強く、相手の目を見て握手しないと、やる気がないのかな?と思われてしまうそうです。考えてみると、ドイツ人の方々と握手をした時は、とても力が強かったです。働き方も、1年に〇日以上休まなければならない、と決まっていたり、3日間は、医者の判断がなくても、体調が悪いときは休んでよい、という制度があったり、働きやすい国だと思いました。家族との時間を大事にしているところも良いと思いました。
そして、デュッセルドルフからベルリンに移動してきました。ベルリンは高いビルがたくさんあって、都会な感じがしました。
ベルリンでは、広島の原爆の平和式典のようなものに参加しました。スピーチの言語がわからなくても、一生懸命聞こうとしてくださる方、うなづきながら聞いてくださる方がいて、感動しました。白いハトをつかんで、放す、ということもしました。ハトは真っ白で、目がすごくきれいでかわいかったです。けっこうあばれるハトで、飛んでいってしまわないか心配だったけど、無事、放すときまでつかんでいられました。
日本では、8月6日はいつものように過ごされていて、何も考えずに人々は生活します。しかし、この日に空爆を受けていないドイツでさえ、このような式典があります。日本は、もっとこのような忘れてはならない日を大事にすべきだとおもいます。そして、日本が攻撃した日も忘れないようにするべきだと思います。
デュッセルドルフからベルリンに移動するとき、菜穂子さんとお別れしました。菜穂子さんさんからは、菜穂子さんからしか学べないことをたくさん学ぶことができました。本当に感謝しています。ありがとうございます。
8/6 4日目 戸田美穂 主な訪問先:JETRO
今日は、最初にジェトロに行きました。ジェトロではどんな活動をしているのか全然知りませんでしたが、話を聞いて、とてもたくさんの活動をしていることが分かりました。ジェトロの海外事務所が13カ国14事務所あるのが、すごいと思いました。そして、前にも聞いていた、休暇についての話も、やっぱりいいなと思いました。日本もドイツと同じように、年次有給休暇や病気休暇の決まりをちゃんと決めてより良くしてほしいです。そうすれば、もっと住みやすくなるんじゃないかと思います。今日話を聞いた矢舘さんの、ドイツに来ることになったときの体験談を聞けて良かったです。
そして、ベルリンまで移動しました。移動時間が長く、たくさんおしゃべりできました。明日からもがんばれそうです。
ホテルに荷物を置いた後、式典に行きました。2人のスピーチもありましたが、2人とも上手にできていてすごかったです。スピーチの後、少し待ってから白いはとを飛ばしたのもとても楽しかったです。ちゃんとはとを持っていられるか不安でしたが、意外と落ちついていたので大丈夫でした。
青い風船をとばしたのも楽しかったです。日本人も何人かいて、ドイツの方が日本語を少し知っていたことが嬉しかったです。
ホテルに戻ってきてから、女子のみんなで白黒の、加工がないプリクラみたいなやつを撮りました。1回3枚の写真を撮るので2ユーロもかかって、そんなのにお金かけたくないなと思っていたけど、思ったより楽しくて(おそらくメンツが良すぎるから)とても良い思い出になりました。
明日から学校なので、すごく緊張しますが、がんばりたいと思います。
ホストファミリーとも仲良く楽しく過ごしたいです。
吉田?真 4日目 デュッセルドルフ、ベルリン 今日は午前中、JETROを見学した。担当の方の話を聞いていて、再エネの開発が進んでいるドイツでもコスト面での課題があることを知った。そして、その課題を解決するのに関わってみたいと思った。また、僕が研究している日本酒がドイツでも人気があることが分かった。しかし、販売されている酒の種類が少ないそうだ。福島県は全国日本酒鑑評会で7年連続金賞受賞数日本一だから、僕は高校の生物部で日本酒作りに使われる酵母の研究をしている。自分やその後輩が発見した酵母を使った酒が海外で売られたら、本当に嬉しい。
夕方の原爆の日の集会では、りおさんと聖真先輩がスピーチをやった。りおさんがスピーチの冒頭に涙を流し、それにつられて英語が分からない聴衆の人々も泣いていた。それを見ていて、発音やイントネーションはもちろん大切だけど、つたえようとする気持ちが一番必要なんだと思った。スピーチのことでは、自分なりに決意したことがある。最終的に、スピーチは原稿なしでやることに決めた。昨日だって原稿を見ることはできたし、そうすればもっとマシなスピーチができたと思う。でも挑戦したのは、自分の言葉で伝えたかったからだ。
今日の夜、菜穂子さんに「失敗して悔しかった」と伝えたら、菜穂子さんは僕に「スピーチの優劣はつけられないけど、今日の?真はNO.1だった。」と言ってくれた。その言葉を信じて僕は頑張る。そして、5000人の聴衆の前でも100%のスピーチができるようになりたい。だって、菜穂子さんがZoomでのスピーチ練習の時にいつも言っていた「目の前に5000人の聴衆がいると思って」をメンバーの中で一番聞いたのは自分だから。僕のスピーチの内容は聴衆に涙を誘うようなものではない。でも、一生懸命やれば、感動にも勝るものを聞き手に与えられる。その可能性を追い求め続けたい。
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