今回は、堀 潤
(Jun Hori)さんに『報道とプロパガンダ』というテーマでの報告でした。
原発事故後NHKの中で頑張って報道しようとしていたのですが、局内でいろんな思惑がはたらき堀さんの取材したものがなかなか多くの人たちの目に留まる機会が作れなかった。
そんな堀さんは、NHKを退職しフリーのジャーナリストとして、またキャスターとして地上波でもネット番組でも活躍しています。
堀さんは最初にプロパガンダとは何かについて問いかけ、参加者が思い思いのイメージを答えました。その上で、自身で取られた写真を見せながら、知らず知らずのうちに浸透してしまっていて、日常にあるためにある程度の信頼を寄せてしまっているプロパガンダもあると話しました。香港、北朝鮮など現地で撮影した映像を見せながら詳しく解説。また、このプロパガンダを打ち破るのがジャーナリズムの役割であると訴えました。
それでは身近に潜んでいるかもしれないプロパガンダをどのように見分ければ良いのか。堀さんは、「大きな主語よりも小さな主語を大切にすること」がその対策だと話しました。また、自分の思想に合わない人でも心の中で一度拍手をするべきであるとしました。
申し込みは40人中、高校生31%、大学生15%と半数が若者で、いや社会人でも20代もいたので、失礼。いつもコアに関わっている高校生たちが試験中で参加できなかったのが残念でした。
熊本での豪雨水害取材が入り、直前まで地上波のスタジオから駆けつけてスーツ姿でのゲスト講師となり、お忙しい中ありがとうございました。
とても有意義な時間となりました。
今回の参加者の感想です
Maho Suzuki
東京外国語大学 アラビア語専攻 1年 鈴木真宝
私は大学で中東地域を専攻しています。その学びの中で、「プロパガンダ」や「ステレオタイプ」という言葉をよく耳にするので、堀潤さんのお話からそのような固定概念に向き合う方法を教えて頂きたいと思い参加させて頂きました。
とても貴重なお話しを聞くことが出来、感想をシェアしたいと思いましたので、載せさせて頂きます。
堀潤さんのお話しの中で、プロパガンダを見極める方法は、「小さな主語に目を向けること」と教えて頂きました。「私たち、〇〇の国、国民」というような大きな主語は人を自分と同じ意見に誘導しやすく、正しいことを伝えているように感じてしまうという良い面が有りますが、一方で、大きな主語の中にある小さな声を聞き逃してしまうことがあるということがあると言う言葉がとても心に残りました。私は、言語を通して中東と福島の情報を正しく伝える橋渡しになりたいという思いが有り、大学で中東地域とアラビア語を専攻しています。2011年に福島では東日本大震災による放射能被害が、シリアでは、「アラブの春」の波及に伴う内戦が発生し、それ以降お互いに「放射能によって汚染されている県」「紛争が起きている危ない国」という固定概念が生まれてしまった現状があると私は、考えています。それぞれの言語を正しく理解して、「福島」「中東」という大きな主語に頼らずに伝えることで、お互いの固定概念の外にある素晴らしい面を知ってもらいたいと思い大学で学んでいます。今回堀潤さんのお話しを聞き、1人1人の声にきちんと向き合うことの大切さを改めて考えさせられました。
加えて、SNSが発達している今、マスメディアのみならず、1人1人が情報を発信することが出来ると教えて頂きました。自分の発言でプロパガンダを作らないよう気をつけつつ、自分が持っている人間関係の中で伝えられる小さな情報も正しく伝えることで、少しでも社会に役立ちたいとも思いました。
編集:宮崎大学農学部森林緑地環境科学科2年 相原直生
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